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出張カメラマンの選び方

家族写真をはじめ、ブライダルや学校行事の撮影など、

様々なシーンでカメラマンの出張サービスが利用できるようになってきました。

主要なマッチングサービスは料金設定が大体同じくらいなのですが、

中には1時間程度の撮影で数千円と、カメラマン自身で料金が設定できる仕様のものもあります。

できるだけ出費を抑えて写真を残したいけど、低料金のカメラマンにお願いしても大丈夫なの?

今回はそんな不安を解決するため、なぜ料金に差があるのかを解説していきたいと思います。

1.主要な出張撮影サービスの料金体系は2万円前後が主流

例えば「家族写真、出張カメラマン」などで検索した時に上位に出てくるサービスは、大体2万円前後という料金設定が多いです。
このようなサービスには以下の内容が含まれていることがほとんどです。

・写真データ100枚以上
・一律料金で出張費込み
・雨天によるスケジュール変更は無料
・撮影後に写真が気に入らなかった場合の再撮影

一律料金というのが分かりやすくて安心ですね。
フォトブックなどのオプションもあるのですが、明瞭会計で後から別料金を請求されることはありません。

私もこのようなサービスに登録していたりしますが、個人的に受けたご依頼は同じような条件、料金体系で撮影しています。

参考までに、こちらの価格帯の出張撮影サービスをまとめておきます。

fotowa

LOVEGRAPH

フォトリ

Famm

2.お手頃価格帯の出張撮影サービスとの違いは?

出張撮影サービスには誰でも登録できるわけではありません。
事前に技術審査や面談があり、所持機材の面でも一定以上の条件をクリアしたカメラマンだけが登録できる形になっています。
また、何かトラブルがあった際にカメラマン個人とでは解決できないこともままあるので、そういったリスク管理も徹底されています。

お手頃価格の理由として、下記のような理由が考えられます。

・納品枚数が少ない
・再撮影などのアフターサービスなどが比較的手厚くない

そしてカメラマン自身で価格が設定できるため、駆け出しのカメラマンも多く、こちらで経験を積んでから高価格帯に移行するといった登竜門的な位置付けでもあります。
もちろん、中には家族写真をライフワークとして捉え、腕や経験があるにも関わらず低価格に設定しているカメラマンもいるでしょう。

くらしのマーケット

OurPhoto

3.出張撮影サービスに登録しているカメラマンはどんな人なの?

同じ出張サービスに登録しているといっても、カメラマンのタイプは様々です。

①副業として予定の空いている時だけカメラマンとして活動している。
②本業でもカメラマンをしているが、家族写真に関しては個人での集客が難しいから。
③とりあえずいろんなマッチングサービスに登録している。(あまり稼働していない)

大きく分けて以上のようなカメラマンがいるかと思われます。
あくまで私の主観ですが、それぞれの特長は以下の通りです。

①【機材は必要最低限、ただし小物の準備は入念】
副業として活動しているため、機材にそこまで投資をしていない方が多い印象です。
似たようなパターンで撮影している印象を受けますが、その分小物などを多用し工夫して撮影しています。
(出張撮影サービスでは駆け出しのカメラマンに撮影マニュアルを提供していることが多く、それを忠実に守っているのだと思われます。)
「映え写真」を求める方はこういったカメラマンにお願いすると良いかもしれませんね。

女性が多いので子どもをあやすのが上手いのですが、撮影に夢中で周りが見えていない方もチラホラ。
あまり目立たず自然体で撮影したい方は少し恥ずかしいかもしれません。
また、ロケハンを入念にしているが故撮影するスポットを決めていることがほとんどです。


②【本業でカメラマンをしているので、機材もそれなりのものを使用】
①の方が使用しているカメラが大体5~15万円程度なのに対し、20〜50万円のものを使用している印象です。
中には90万円のカメラに30万円のレンズをつけて、、といった方もいます。

ある程度自分の写真というものが確立されていて、撮影も落ち着いた雰囲気でスムーズに進めていきます。
子どもをあやすのに過度に頑張ることはせず、小物なども必要最小限。
撮影スポットを固定せず、移動中の一瞬も逃さないために身軽であることも特長です。
もちろん要望を伝えれば、それを再現する技術は持っているでしょう。
ロケーション撮影では天候や人混みなどコントロールできない要素も多いので、どんな状況でも対応できるカメラマンと出会いたいものです。

4.カメラマンは人柄と経歴を重要視して選ぼう

ここで注意したいのは、高い機材=いい写真というわけではないということです。
もちろん高いカメラの方がボケ味が綺麗だったり、逆光での描写が比べ物にならなかったりするのですが
その写真だけを見ても素人目には違いがわからないことがほとんどです。
それにあまりにもガチガチな装備で撮影されても威圧感がありますよね。。
(ただし、機材投資を怠らないカメラマンは経験を積んでいる、というのも事実です。)

結局は人と人との出会いなので、その人がどういった想いで家族写真と向き合っているのか、
撮影の時間は子どもにとっていい思い出として残るのか、自分達がとってほしいイメージを理解してくれるのか。
家族というのはそれぞれが特別であり、唯一無二です。1時間という短い時間でもそういう気持ちで撮影してくれると嬉しいですよね。
自己紹介文や作例を参考に、そういった部分を見極めてカメラマンを探すのが良いかと思います。


正直、繁忙期はお子様の名前を間違えてしまうくらい撮影が立て込むこともあり、撮影自体もテンプレ化しがちなことも否めません。
出張サービスを介している以上、制限時間がある中で納品枚数を確保しないといけないのでこの点はこのサービスのデメリットでもあります。
そんな中でも、根底にある家族写真に対する想いが真摯であるカメラマンは渾身の一枚を残してくれるはずです。

5.写真は「いくらで撮るか」よりも「誰に撮られるか」の方が大切

私には引き出せない父の表情も、孫になら引き出せる。
私には引き出せない父の表情も、孫になら引き出せる。


最後に私の経験を踏まえてここまでの話をまとめたいと思います。
過去に写真教室を開催していた時のことなのですが、生徒さんの中に某大手フォトスタジオのカメラマンさんがいらっしゃいました。
驚いたのは、カメラの扱いについては全く知識がなかったこと。
それでもその方はプロとして毎日写真を撮っているのです。

技術の進歩により撮った写真がその場で確認できる、というよりシャッターを切る前に完成図が見えるようになりました。
その中でカメラマンに何が求められるのかを考えた時に、やはり仕事に対する姿勢や人柄なのだと思います。
口数が少なくても1枚1枚丁寧にシャッターを切るカメラマン、その場の雰囲気を重要視して楽しい時間を提供するカメラマン、
子どもの笑顔を引き出すことに全力を注ぐカメラマンなど、それぞれ得意分野があります。

様々な出張サービスが乱立する中でベストなカメラマンを見つけ出すのは簡単ではないかと思いますが、
写真は「いくらで撮るか」よりも「誰に撮られるか」の方が大切な気がします。
かけがえのない家族の思い出。その場かぎりではなく来年、再来年と続いていく出会いとなれば良いですね。
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